研修報告:PA会 第2回一般研修「複数主体の分担による特許権侵害の成否について」

 令和5年11月29日(水曜)に東京大学大学院法学政治学研究科教授 田村善之先生を講師にお招きし、一般研修第2回「複数主体の分担による特許権侵害の成否について」をウェビナー形式で開催いたしました。本研修には、70名の先生方にご参加頂きました。

 特許発明のクレイムが、物理的には、複数の主体に分かれて実施されている場合に、いかなる要件の下で特許権侵害を構成するのかという論点があります。本講演では、複数主体の関与形態には多種多様のものがあるところ、それを一つの法理で解決する必要はなく、責任を認める根拠という観点から多元的に複数の法理で対処すべきであるという観点から、共同遂行理論、道具・支配理論、さらに承継的利用の法理の役割分担を論じていきました。また、問題の行為が国境をまたいで遂行された場合の処理について、近時のFC2事件知財高裁大合議判決の影響についても言及されました。

 講義終了後には、多くの質問が寄せられ、受講者の先生方の理解がより深まる有意義な研修になりました。

以上

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