研修報告:PA会 第3回国際研修「ハーグ制度(国際意匠登録出願)」

 令和4年12月21日(水)に小西・中村特許事務所の中村知公先生を講師にお招きし、国際研修第3回「ハーグ制度(国際意匠登録出願)」をウェビナー形式で開催いたしました。本研修には、約30名の先生方にご参加頂きました。

 本講義は意匠に係る制度のうち、まだ日本で一般的になっているとはいえないハーグ協定ジュネーブ改正協定について、意匠の分野に特に詳しい中村先生にご講義戴きました。手続面での差異、特に「出願」という権利形成の「出発」時点、並びに、「公開」という「情報提供」の一元化・簡素化を図り、海外における意匠保護の促進を図るというポイントを確認するとともに、特に実務家の視点でハーグ制度利用の利点と留意点について約2時間、解説して戴きました。

 講義の前半では、ハーグ制度は、意匠の新規性など実体的な登録要件を職権で審査しない無審査制度を背景に成立していることから始まり、外国意匠実務の心得、日本企業の活用実績、旧来の意匠登録出願との手続きの差異、審査経過や登録後の手続きについてご説明をして戴きました。

 また、講義の後半では、eHague”によるオンライン出願が推奨されていること、ハーグ制度の枠組と主要制度の説明をして戴き、ハーグ制度を利用すべき場面について弁理士として的確なアドバイスができるようご説明戴きました。

 今後ハーグ制度を利用したい場合にすべきことを分かり易くご教示いただき、これから準備を開始される先生方にとって大変役立つ内容でした。講義終了後には8つもの質問が寄せられ、受講者の先生方の関心の高さが窺え、参加者の理解がより深まる有意義な研修になりました。

以上

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