研修報告:第1回新人研修「今年話題の著作権裁判例 ~金魚電話ボックス事件、音楽教室事件~」

令和3年7月13日(火)、中野特許事務所の弁理士 中野圭二先生を講師にお招きし、第1回新人研修 「今年話題の著作権裁判例~金魚電話ボックス事件、音楽教室事件~」をウェビナー形式で開催いたしました。

金魚電話ボックス事件では、著作物性が争われた事件として、著作物性についての説明を導入とし、平成30年に出された原審判決と、令和元年に出された控訴審判決とを比較し、共通点と相違点について解説いただきました。

音楽教室事件(JASRAC事件)では、著作者の権利である著作者人格権・著作権の概要を説明していただいたのち、平成29年に出された原審判決と、令和2年に出された控訴審判決とを比較し、演奏権とその消尽の成否について解説いただきました。また、著作権侵害の行為主体を、具体的な裁判例を挙げて説明していただき、著作権契約についても解説していただきました。

さらに、後半の一部の時間を利用し、中野圭二先生に加えて、加藤朝道先生、亀山育也先生、篠田卓宏先生、及び宗像孝志先生をパネリストとしてお迎えし、著作権に関する国内外での実務の違いにもふれながら、これからの著作権活用の可能性および留意点について、パネルディスカッションを行っていただきました。

講義の最後にはQ&Aタイムを設け、受講者からの質問に中野先生がご回答いただくことで、より理解が深まる研修となりました。

今回の研修は、今後、著作権に携わる先生方には、実務上たいへん参考になったものと思います。研修後のアンケートでは、「最近の注目すべき判例について概要を知ることができた」、「著作物性が争われた判例など興味深い事件を知ることができた」、「普段の業務で接する機会が少ない著作権にも知らないと困ることがあることに気づかされた」、「原審と控訴審との対比が分かりやすかった」、などの好意的なご意見をいただいております。

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