研修報告:第3回一般研修「TPP協定に伴う著作権法改正案について」

平成28年6月21日(火)に、第3回一般研修「TPP協定に伴う著作権法改正案について」を開催致しました。本研修には、約20名の先生方にご参加いただきました。

本研修に文化庁長官官房著作権課法規係長の吉野直樹先生をお招きしました。
本研修の前半では、著作権関係条約の交渉開始から発行までの一般的プロセスをご説明いただきました。条約交渉の流れ、条約(treaty)と条約の最終文書(act)の違い、条約の和訳の重要性等といったポイントについて解説いただきました。さらに、過去の条約との比較におけるTPPの特徴、国内法とTPP条約の相違点と改正点について、立法事実や改正の必要性をふまえながら、解説していただきました。TPP法案は一括法案であることやその特殊性、①著作物等の保護期間の延長、②著作権など侵害罪の一部非親告罪化、③アクセスコントロールの会費等に関する措置、④配信音源の二次使用に対する使用料請求権の付与、⑤損害賠償に関する規定といった5つの改正点について総説いただきました。

研修の後半では、前半で総説いただいた5つの改正点について詳説いただきました。実務的な検討もいただき、現職の立場から説得力のあるご説明をいただきました。それぞれの規定が表現された立法事実やステークホルダーの利益状況の衡量等、立法担当者でなければ話すことができない突っ込んだ解説をしていただきました。立法担当者による現場の話を聞かれた参加された方々にとって有意義な研修になったことと存じます。

また、研修後に行われた懇親会には7名の先生にご参加いただき、終始打ち解けた雰囲気で交流を深めることができました。

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