平成25年度PA会新人研修(第4回)のご報告

日々の業務の中で著作権に関する事案に対応する機会は多くはありませんが、いざ相談があったときに判断に困ることが多いものです。そこで、今回は、著作権侵害の成立要件のうち「著作物性と類似性」に焦点を当てて、過去の判例を教材に具体的な判断基準や考え方を考察する研修を実施しました。

講師には、日本弁理士会の著作権委員会に長年所属され、継続研修他の日本弁理士会実施の研修会、地方自治体実施の研修会を多数担当されている中野圭二先生をお招きしました。進行は、中野先生による講義、判例を元にした具体的事案に関するグループディスカッション、最後に中野先生による判例解説、という流れで行われました。

著作権は、特許法や商標法のように客観的な審査を経て登録されたものではなく、構成要件以外の背景事情から影響を受けやすい性質があるため、個々の判例の判断をうのみにすることなく、その判断が導かれた理由付けを把握することが重要となります。その点、講義による構成要件の確認、多様な意見に触れるグループディスカッション、そして個々の事案の具体的な理由付けを確認する判例解説、という流れで進められた今回の研修は、参加者にとって、判例のエッセンスを吸収するには最適な形式だったのではないかと思います。

当日は、各グループで白熱した議論が行われ、研修は盛況の中で終了致しました。研修終了後に行われた懇親会には、講師の先生方を含め多くの受講生が参加し、閉店の知らせがくるまで交流を深めていました。

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