平成27年度PA会新人研修(第2回)開催報告

平成27年6月17日(水)、弁理士会館において、毎年恒例となりました進歩性判断演習の研修を開催しました。

講師として、石渡英房先生、上田和弘先生、坂野博行先生をお招きし、講師ごとに少人数のグループを作り、実例を用いて進歩性欠如の拒絶理由に対する対応策についてディスカッションを行いました。新規登録者とグリーンPAの方を中心に13名の方が参加され、活発なやりとりが交わされました。

今回の題材は、キッチンシンク等の水回り製品の材質の検討等に用いられる「耐油汚れの評価方法」に関する特許出願の事件を用いました。本出願は、進歩性欠如を理由として、拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判を経て、審決取消訴訟に至ったものであり、審決取消訴訟において拒絶審決が取り消され、特許が成立したものです。

参加者には、事前に題材の特許出願書類や拒絶理由通知、引用文献を配布し、各自で拒絶理由への対応を予め検討していただきました。

研修当日は、先生方の助言に基づき、各グループでどのように応答すべきかをディスカッションして頂きました。ディスカッションでは、講師の先生の拒絶理由の妥当性、応答方針等についての問いかけに対して、各参加者は検討した自身の意見や他の方の意見に対する考えを発言し、活発な意見交換がなされました。また、講師の先生方からは豊富な経験に基づく、汎用性のあるアドバイスを受けることができました。

研修の最後には、講師の先生方から、「中間応答の経験が浅い人が多いにも関わらず、ポイントをついた良い補正案が提案されていた。」、「拒絶理由に記載の引用文献の認定が適切であるか等、拒絶理由通知書の内容を十分に検討して、審査基準の進歩性判断手順に則して進歩性の有無を判断することが重要だ。」等のご講評をいただきました。

研修終了後の懇親会には、講師の先生方、参加者およびスタッフの計11名が参加し、講義中では議論しきれなかった内容や質問についても話題になり大変盛り上がりました。

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